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安全を守る!屋根の耐震リフォームの必要性と実際の効果を徹底解説

屋根を軽量化することで建物の耐震性能が向上します。 阪神淡路大震災で倒壊した建物の多くが、昭和56年の建築基準法の改正以前に建てられた木造住宅で、築年数45年以上の住宅が該当します。 当時はまだスレート瓦が普及しておらず、日本瓦が使用されていました。日本瓦は屋根材の中でも重く、建物の重心が高くなるため地震に弱いのが弱点です。 特に、昭和56年の以前の建築基準法の改正以前の建物は建物の耐震基準が甘く、老朽化も進行しているため、一刻も早い耐震リフォームが求められています。 この記事では、屋根の耐震リフォームの方法と具体的な効果について解説します。 建物の耐震性能を向上させる屋根材の種類や具体的な効果まで屋根の耐震リフォームを行う際に知っておくべき基礎知識について解説します。

1.屋根の耐震リフォームの必要性

東日本大震災や熊本地震など日本で生活をする以上、地震のリスクは避けては通れません。 近い将来、南海トラフ地震が起こると予測されており、いつ大地震が発生してもおかしくはない状況です。地震による危険や被害を最小限にするため住宅の耐震性は非常に重要です。 住宅の耐震性は全体の構造や重心(バランス)の総合力で決まります。 そのため、屋根の耐震リフォームについて具体的にお伝えする前に、屋根の耐震リフォームの必要性について理解を深めましょう。

1-1.阪神淡路大震災の倒壊の原因と建物の特徴

平成7年に起きた阪神・淡路大震災では木造住宅の全壊家屋は10万棟に達する大きな被害がありました。下記のグラフは被災した地域の1500棟の木造住宅の被害を調査したものです。 阪神淡路大震災で倒壊した住宅の統計 昭和60年以前に建築された古い木造住宅が倒壊していることが分かります。 昭和56年に建築基準法が大きく改正されました。昭和56年以前の建物と、以降の建物とでは耐震基準が大幅に異なります。 そのため、まず耐震リフォームを検討する際は、自宅が昭和56年の建築基準法の改正以前に建てられた住宅のなのか、以降に建てられた住宅なのかを理解しておくことが重要です。

1-2.屋根の耐震リフォームの必要性

屋根の耐震リフォームが効果的な住宅は、築年数が45年以上経過している、日本瓦の屋根です。 なぜなら、建築基準法の改正以前に建てられた住宅で、現在の建築基準の耐震性能を満たしていない可能性が高いからです。 また、経年劣化によって建物自体の老朽化が進行している可能性が高く、大型地震の際に日本瓦の重量に耐えられない危険があるからです。 実際に、阪神淡路大震災で倒壊した住宅の多くが、建築基準法の改正以前に建てられた住宅で、現在の建築基準法で建てられた住宅と比べて、筋交いの量が少なかったり、耐力壁の絶対量の不足、柱・土台の接合力不足などの脆弱性があるからです。 このような場合、日本瓦からガルバリウム鋼板と呼ばれる金属製の屋根に葺き替えることで、屋根が大幅に軽量化され、建物の重心が下がることで、耐震性能が向上します。 このように、築年数が45年以上経過している日本瓦の木造住宅では屋根の耐震リフォームは必要になります。

2.屋根の耐震リフォームの効果

日本瓦とガルバリウム鋼板の重量の違い 日本瓦からガルバリウム鋼板に葺き替えることで耐震性能が大幅に向上します。 なぜなら、屋根の重さが1/4になり地震の際に建物にかかる負担を軽減することができるからです。 建物重心と耐震性の関係 例えば、上記のような鉄球のついた構造物の場合、地震で左右に揺れた際にどちらの方が支柱(柱)が折れやすいでしょうか?強度計算をするまでもなく、Aの構造物の方が支柱(柱)が折れやすいのは明白ですよね。 Aの構造物の耐震性を高めて支柱(柱)を折れないようにするには、鉄球を軽くするか、柱を強くするしかありません。 単純化するために、鉄球のついた構造物を例に挙げましたが、同じようなことが住宅でも起きているのです。 このような理由から、日本瓦をガルバリウム鋼板に葺き替えることで建物全体の耐震性能が大幅に向上し、建物が倒壊するリスクを低減できます。

3.耐震性の高い屋根材の種類と特徴

建物の耐震性を向上させるには、ガルバリウム鋼板などの軽い屋根材に葺き替えるのがポイントです。また、建物全体だけではなく、地震で不具合が発生しないという屋根材の地震に対する耐性も屋根リフォームでは重要です。 ここからは地震に強い、オススメの屋根材と特徴について解説します。

3-1.ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板 ガルバリウム鋼板は近年爆発的に普及している、金属製の屋根材です。 ガルバリウム鋼板は基本的に金属板のため非常に軽量で地震に強いのが特徴です。また、トタンなどの従来の金属屋根と異なり、屋根塗装の必要が無いメンテナンスのフリーの屋根材です。 将来的にメンテナンス費用が発生しないため、費用対効果の高い屋根材です。

3-2.軽量防災瓦

防災瓦 防災瓦とは通常の日本瓦よりも、1割ほど軽量化された瓦屋根です。 ガルバリウム鋼板と比べて、屋根の軽量化は期待できませんが、従来の日本瓦と異なり、瓦同士がかみ合う構造になっています。 そのため、地震で瓦ズレたり、浮いたりする不具合が発生しにくいのが特徴です。 和風住宅などでガルバリウム鋼板の使用に抵抗がある場合、軽量防災瓦の使用を検討しても良いかもしれません。

まとめ

いかがでしたか。屋根の耐震リフォームについてご理解頂けたかと思います。 地震による被害を最小限にするために、屋根の耐震リフォームは有効です。 屋根リフォームを検討されている方は、自宅の築年数を確認して、建物の耐震構造や建築基準を確認して、適切な耐震リフォームを行うことが重要です。